【7人のシェイクスピア】今日のおすすめ漫画【ハロルド作石】
秋とかいう強欲の季節は漫画を読め
みなさんこんにちは。山田マンデイと申します。
すっかり季節の方も秋めいてきまして、秋と言えば食欲の秋とか、スポーツの秋であるとか、尊厳欲求の秋、自己実現欲求の秋*1とかいろいろ言われてますけど、強欲であることが肯定的にとらえられる唯一の季節なわけです。つまり汝強欲たれと、そう言われているのです。
→あの範馬勇次郎もこう言っていますね。
まあ早い話が
「読書の秋だし、漫画でも読もうぜ!!」
ということなんですけども、
僕が最近買った、読書の秋にぴったりの漫画をご紹介したいと思います!!
『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』ハロルド作石
今回ご紹介するのは、ヤングマガジンで大好評連載中の
『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』(著者 ハロルド作石)です!!!
......はい。すみません。みなさんのおっしゃりたいことはわかります...。
「おいおい、『BECK』や『RiN』でおなじみのハロルド作石先生の期待の新連載、『7人のシェイクスピア』かよ。紹介されるまでもねーぜ。神作品確定だろ常識的に考えて。」
...ってことですよね?いや、おっしゃるとおりです。あのハロルド作石先生の作品ですから、僕が紹介するまでもなくおもしろいに決まっているのですが、一応先っちょだけでいいので内容を紹介させてくださいおねがいしますなんでもしますから
ものがたりのあらすじ
じゃあちょっとあらすじだけ紹介しますね。
以下、Wikipediaより抜粋
1588年、ランス、ミル、リーの一行はロンドンへ到着し、一足先にロンドンへ渡っていたワースと再会する。ワースの蓄えた資金の下で生活を始めたランスはストレンジ卿一座のジェームズ・バーベッジへ脚本を持ち込むが、「まるで5年前の作品だ」と酷評される。ランスが手掛けた『オデット』のような喜劇はすでに過去のものとなり、海軍大臣一座のクリストファー・マーロウによる大掛かりな演出と残虐な芝居が世を席巻していた。ランスは各劇団への脚本の持ち込みを続けるも、ことごとく断られ、己の学識のなさや、素養のなさを痛感するが、リーが綴る名台詞の力を信じて歩み続ける。
そんな中、ランスはケインという弁の立つ少年と出会うと、彼の母・アンともども匿うことになり、6人での生活が始まる。ワースは生活費を浪費するばかりで、成功する当てもない現状に不安を覚えるも、ランスはトマス・ソープという本の行商人との交流を通じて提供された貴重な情報から着想を得ると、ミルの聖書や神話からの知識、リーの詩才、ケインの率直な意見、アンの音楽の才を加え、新たな作品『ヴェニスの商人』を完成させる。ミルと知己のあるストレンジ卿ファーディナンド・スタンリーへの持ち込みの結果、ストレンジ卿一座での上演が決まると、ランスは再び「ウィリアム・シェイクスピア」として生きていく決意をする。
ながい!!あらすじが長い!ので、ざっくり言うと。。。
『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』で有名な歴史的作家、ウィリアム・シェイクスピアとその仲間たち6人 (合わせて7人ですね!)が、それぞれの才能を生かして、苦難を潜り抜けながら歴史に残る傑作の劇脚本を作り上げていく物語です。ただ、史実に則ったものではなく、あくまでヒストリカルフィクション的なストーリーになってます。
おもしろポイント①「キャラクターがみんな魅力的!スキ!!」
はい。まずハロルド作品の魅力といったらこれです。登場人物のキャラクターの良さ。
たとえば先に挙げた『BECK』でもそうですが、主人公のユキオを始め、ギタリストの竜介くん、ベーシストの平くん、果ては犬のベックなど、、、登場人物すべてが魅力的で、全員のことを好きになってしまうのです!そしてそれは今作『7人のシェイクスピア』でも変わりません。
主人公 ウィリアム・シェイクスピア
↓この人が主人公のランス・カーターことウィリアム・シェイクスピアです。わけあって偽名を使っているみたいですが、その理由もこれから明らかになるでしょう。
とにかく野心に溢れ、自分の書く脚本に絶対の自信をもっています。とはいえ、決して傲慢ではなく、誠実でとにかく前向き。人を引き付ける魅力を持っている人物です。友達だったら、ちょっとわがまま言われても許しちゃいたくなるタイプの人ですね(?)
天才作家 クリストファー・マーロウ
↓このクールなイケメンはクリストファー・マーロウ。演劇全盛時代のロンドンにおいて、絶対的人気と地位を獲得している天才作家です。
この男、圧倒的な才能をもつ天才なのですが、加えて冷酷で残虐な側面も持ち合わせており、「気に入らないやつは全員処刑しちゃうぜ?」というタイプの人です。友達だったら、処刑されないように常にご機嫌をとりたくなっちゃいますね。。処刑されたくない!!
詩の女神様 リー
↓このかわいすぎる女の子は、不思議な力で奇跡の詩を生み出す少女、リーです。そのおよそ常人が発想できない美しい詩は、シェイクスピアの作り出す物語の生命線であり、リーがいなければシェイクスピアも自身の作品にあれほどの自信はもてなかったでしょう。とにかく美しい。。。かわいい。。。貴い。。。
『RiN』の凛ちゃんにとっても似てますね。
おもしろポイント②「いちいちセリフが心に響く!!!」
はい。そうなんです。セリフがめちゃくちゃいいんです!
ハロルド作品では、コミカルで親しみやすいセリフ回しの中にも「かっこいい!しみるぜ!」と思わせてくれるようなセリフや、人の世の本質を突いたようなセリフがそこかしこに散りばめられています。
というわけで、『7人のシェイクスピア』1~6巻のなかで印象的だったセリフを少しだけ抜粋してみたいと思います!!
・「敵の呪いこそ俺の栄光だ」-クリストファー・マーロウ
・「だが怨みと憎しみは違う 人を長く衝き動かす!」-ウィリアム・シェイクスピア
・「自然に悖(もと)る行為は自然に悖る禍を生みますね」-ミル
ね、どうでしょう。まあ前後の文脈がわからないからなんのこっちゃと思われるかもしれませんが、セリフ単体で見ても「ふーん...なんかいいじゃん。」と思っていただけるのではないでしょうか。
おもしろポイント③ 「王道のストーリー展開!」
3つめのおもしろポイントですが、ストーリーのわかりやすさですね。物語の展開がわかりやすいというのはとてもいいことで、常に登場人物の動機づけがはっきりしていて難しく考えることもあまりないので、読者は迷子にならずに物語に没入し続けることができます。
『7人のシェイクスピア』も、基本的には「芝居の力で富と権力を掴み、自由を支配する」というシェイクスピアの動機を軸に物語が進んでいきます。
しかしそれも一本道のRPGのごとくすんなり進んでいくわけではなく、最初は自分の作品がロンドンで全く受け入れられないという耐え難い挫折を味わい、それでもあきらめず才能と情熱をもった仲間たちと困難を乗り越えながら徐々に成功に近づいていくという感じで、段階的に読者にカタルシスをもたらしながらストーリーが進んでいくわけです。この辺りは『BECK』や『RiN』も同じですね。読んでいて清々しい気持ちになれること請け合いです。
まあ、まだ6巻ですから先の展開はわからないですが、シェイクスピアって既に歴史に名を残してますから、なんだかんだあってもサクセスするんだろうなという安心感はありますね。ただリーちゃんがどうなるのか...それだけがほんとに心配です.......リーちゃん。。。
まとめ
『7人のシェイクスピア』は万人におすすめできます。ていうかなんならほかのハロルド作品も全部おもしろいのでまじで読んでみてください。ハロルド先生の独特のセリフ回しとか、キャラの表情とかほんとクセになりますよ!
ということで、今回は『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』の紹介でした!!それではまた次回!
written by 山田マンデイ